有機合成化学グループ: 鈴木(教)研究室(&旧 増山研究室)

Organic Synthesis Group, Sophia University

research


Nori Suzuki Laboratory


鈴木(教)研では、ジルコニウムなどを含む特異な構造を持つ有機金属化合物の合成を行っているほか、新しい機能をもつ触媒の開発へ向けた新規錯体の合成、触媒機能を持つ高分子の合成と応用などをおこなっています

In Nori Suzuki’s Laboratory, we study synthesis of unique organometallic compounds of zirconium, design and preparation of novel metal complexes towards new-functionalized catalysts, and synthesis and application of polymer-catalysts.

安定な環状アルキン、環状アレン化合物の合成と反応
三重結合のまわりでは、通常四つの炭素原子が直線上に並ぶ。しかし環状アルキンではその角度に歪みが生じる。環が小さくなるほど歪みは大きくなりついには安定に存在し得なくなる。これまで五員環アルキンは安定に存在し得ないと信じられてきた。同様にアレンもまた環状化合物を生成しにくい
ところが、五つの炭素のうち一つだけを遷移金属におきかえたところ、非常に安定な化合物として五員環アルキン、五員環アレンが得られることが当研究室で発見された
この化合物は金属錯体とブタトリエン(= [3]クムレン)やエンインから合成される。


イオウ原子を含む5員環アレンの分子構造

本研究室では、本研究室では、このユニークな化合物群を種々合成し、その構造、物性、反応性を検討している。最近では、窒素原子を含む五員環アレンや、七員環アレンの合成などを報告した



さらに、これらの有機金属化合物の求核的な反応を利用した新たな炭素?炭素結合生成反応の開発に取り組んでいる。

1) Suzuki, N.; Nishiura, M.; Wakatsuki, Y. Science 2002, 295, 660-663.
2)  Suzuki, N.; Hashizume, D.; Koshino, H.; Chihara, T. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 5198-5202.
3) Erker, Suzuki, Yuasa, S.Inoue, T.Asada, T.Takemoto et al.Dalton Transactions, 2012, 41, 10811-10816.
4) N. Suzuki, T. Tsuchiya, Y. Masuyama, J. Organomet. Chem. 2013, 741-742, 91-96.

有機金属化合物を用いる新規な炭素-炭素結合生成反応の開発
上記の反応に見られるように有機金属化学においては特異な反応性が観察される。本研究室では、ルイス酸性をもつ金属と、パラジウムなどの後周期遷移金属を組み合わせて、新しい触媒機能を持つ錯体を設計・合成することを目指して検討をおこなっている。最近では、O,N,Oの三座配位子とピリジン配位子を組み合わせてチタンとパラジウムの複核錯体を合成することに成功した


O,N,O-N,N多座配位子を持つチタン-パラジウム錯体の例
Noriyuki Suzuki,* Kenji Haraga, Tatsuki Shimamura, Yoshiro Masuyama Eur. J. Inorg. Chem. 2015, 5480-5487.

温度応答性ポリマーに固定化した触媒を用いる水中での有機反応
有機反応は一般に有機溶媒中で行われる。溶媒として水を用いる反応は環境への負荷が少ないため望ましいが、制約も多い。我々は、温度によって親水-疎水性が不連続に切り替わるポリマーへ触媒分子をつなげることにより、水中で容易に、かつ高選択的に有機反応を行えることを見出した。

N. Suzuki, T. Inoue, G. Kobayashi, R. Akebi et al. Chem. Lett. 2013, 42, 1493-1495.
Noriyuki Suzuki,* Ryuji Akebi, Takahiro Inoue, Masahiro Rikukawa, Yoshiro Masuyama Current Organocatalysis 2016, 3, 306-314.

[3]クムレンを基質とする炭素-炭素結合生成反応
[3]クムレン化合物は入手が容易でないためこれまで有機合成的な手法の開発に用いられてこなかった。しかし不飽和結合が集積するその構造は反応の点から興味がある。我々は、合成が容易で、のちの化学変換が可能な(Z)-1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,2,3-ブタトリエンを基質として反応の探索を行っている。

N. Suzuki, A. Sasaki, Y. Kuroda, M. Kaneko et al. Tetrahedron Lett. 2013, 54 (22), 2813-2816.


Masuyama Laboratory


増山研では、イリジウムなどの後周期遷移金属触媒や、スズなどの典型金属を用いた有機合成反応の開発研究をおこなっていました。
(現在卒業研究生の受け入れはしていません)

In Masuyama's lab., development of novel organic reactions catalyzed by metal compounds such as iridium and tin is studied.