橋本教授からのメッセージ / Message from Professor Hashimoto

橋本教授 分析化学とは,物理化学・無機化学・有機化学の一部にまたがる,古くて新しい学問です.実用的な検出を目指す応用的な研究もあれば,検出原理の解明や開発を目指す理学的な研究もあります.私たちは「分子認識」をキーワードに,超分子分析化学・錯体化学・電気化学を組み合わせながら,生物学の研究室とも物理学の研究室とも共同して研究を行っています.海外の研究室と共同で取り組む場合もあります.



【これから研究室に配属されることを考えている皆様へ】
 「自分で考えて研究を進めていくこと」の醍醐味を経験して頂きたいと思っています.まだ世の中の誰も正解がわからない課題(研究テーマ)に関して,どのようにアプローチしてどのような実験を行えば解決できそうなのかを考え,主体的に取り組み一生懸命研究をする体験は,社会人になってから必ず役に立つはずです.それは同じ実験量であったとしても「指示されたことだけをやれば卒業できる」と思っている学生とは将来非常に大きな差となるでしょう.高校と大学/大学院の違いはこの主体性を身に付けるかどうかにあると考えています.
 「自分で考える」ことは「自分ひとりでやる」ということではありません.種々の合成/測定手法を会得し,考え方を学び,他の研究室と協働していくには,教員・先輩・同期・技術員を筆頭とした多くの方々に助けてもらう必要が有ります.また研究室内には掃除をはじめ様々な共通の仕事もありますし,守るべきルールもあります.研究室の構成員の中で良好な人間関係を築き,お互いに連絡・相談・感謝・協力し合って研究する必要がありますし,その努力ができる人を求めています.
 コアタイムは特に設けていませんが,長時間かかる反応/測定やタイミングが決まっている実験もあります.安全と健康は何事にも優先されます.(平日にサボったからといって)夜間・休日に一人で実験することはあり得ません.決して無理はせず,自主的・計画的に研究を進めて下さい.もちろん,定期的なゼミやディスカッションにより進捗状況は確認します.良い成果を出して(国際会議を含む)学会発表・特許申請・論文投稿に結び付けていただきたいと考えています.
   20代は人生における最も貴重な時期の一つです.誰でも,これからの人生で一番若い日は「今日」です.研究もそれ以外のことも,全力投球できる人を望んでいます.私は,卒業後に(どの位先かわかりませんが)「分析研にいて良かった」と思える研究生活を過ごしていだだくことを願っています.
 本研究室に限らず,実際に研究室を見学してから配属希望を出すことを強く推奨いたします.遠慮はせず,(色々な先生と)アポイントをとって研究室を訪ねてみて下さい.

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