神澤研|生化グループ

Japanese/English

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神澤 信行, 博士(理学)
教授,
上智大学理工学部物質生命理工学科,
主要テーマ: 植物生化学、骨再生、組織工学
E-mail: n-kanza(at)sophia.ac.jp

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研究紹介

私の研究室では、オジギソウを材料として傾性運動の分子レベル(タンパク質や遺伝子)での解析を行っています。もともと、動物の運動に興味があり、学生時代は千葉大学で筋肉の研究をしていました。最近は動物から植物に移行し、植物の運動がどんな機構で調節されているのかに興味を持っています。オジギソウの葉に触れると葉と葉柄と云われる部分が素早く折れ曲がるのを接触傾性と言います。植物の運動はオーキシンの作用で有名な屈性とオジギソウの運動の様な傾性に大別されます。大きな違いは前者が与えられた刺激に対して方向性を持った運動を行うのに対し、後者は刺激とは無関係、つまりあらかじめ決めたらた運動を行う所にあります。また、前者の多くは生長を伴うに対し、後者は生長を伴わないものが多く、オジギソウの運動のように繰り返し同じ運動ができるのが特徴になります。オジギソウの素早い運動の主要な動力源は膨圧の変化です。私たちはこの膨圧の変化を調節する仕組みとしてアクチン細胞骨格に着目しています。 このアクチン細胞骨格自身のリン酸化が骨格の再編を調節し、さらに膨圧の変化に影響を与えていると考えています。
 また、膨圧の変化には細胞膜を介した水の出入りが重要です。通常の細胞膜はそれほど多くの水を通すことができません。私たちはアクアポリンと呼ばれるタンパク質が水の通り道として重要な役割を演じていると考えています。アクアポリンは当初、腎臓からの水の再吸収に関係するなど、動物を中心に解析が進められてきました。しかし、多くの植物でゲノム配列の解析が終了してみると、植物には動物以上に異なる種類のアクアポリンが存在することがわかり、世界中で急速に解析が進められています。
 もう一つ、私の大事なテーマとして骨再生の研究があります。明治大学の相澤教授と共同で行っている研究です。相澤先生によって新奇に開発されたApatite fiber scaffold (AFS)という代替骨材料があります。老齢人口の増加が問題になってくる近未来のニーズに応えるために、さまざまなニーズに合ったテーラーメイドの代替骨材料を開発しようというものです。上記のオジギソウの研究とは異なる分野ですが、その出発点は在外研究でコーネル大学医学部に留学した際にあります。コーネル大学では、細胞の発生や分化を研究することの楽しさを覚えました。帰国当時、上智大学で研究をしていた相澤先生に声をかけられ、共同開発のメンバーとして研究を開始しました。現在も、精力的に研究を進めており、私の研究室の重要な柱のひとつとなっています。

履歴書と業績

Curriculum Vitae
Medline (Kanzawa)

Rev. September 19, 2013

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