TEL. +81-3-3238-3089

E-mail yumiko_suzuki[at]sophia.ac.jp

Sophia University, 7-1 Kioicho, Chiyoda-ku, Tokyo 102-8554, Japan

研究内容

  • 有機化学を基盤とした基礎研究から応用研究まで
    • 【有機合成化学】
       私たちの豊かな生活は,医薬品,農薬,化粧品,有機材料など,有機合成にて製造される物質に支えられています。これらの生産には,「低コスト」「低環境負荷」「高効率」な有機合成法が求められます。このニーズに応えるべく,高効率で,環境に優しく,誰でも簡単に利用できる有機触媒に着目した有機合成法の開発研究を行っています。開発した反応は、生物活性をもつ天然物や抗がん活性物質の合成に利用しています。
    • 【ライフサイエンス】
       私たちの体は,化学物質からできており,体中では,様々な化学反応や,分子と分子の相互作用が起こっています。「薬」は,「生体内分子」と相互作用することで,その機能を発揮します。「分子と分子の相互作用(生体内現象)」を理解するためには,「化学構造に基づく分子機能の理解(有機化学)」が必要です。私は有機合成化学の力を用いて,新薬開発と,生体内分子や薬の機能を理解するための分子ツールtoolの創製に挑戦しています。分子センサーやバイオイメージングへの応用に向け,高機能な蛍光性化合物の設計・合成と機能評価も行っています。
    • 研究テーマ
       有機分触媒反応の開発,抗菌・抗がん性天然物の合成,新規蛍光団の開発,生体内分子の蛍光イメージング,抗がん剤の開発,がん診断薬の開発,など。

ハイライト

  • 求核的アシル化反応
    求核的なカルベン(N-heterocyclic carbene: NHC)を触媒とする、芳香環のアロイル化反応を開発しました。一般的な芳香環へのアロイル基の導入法であるFriedel-Crafts反応は電子吸引性基をもつ基質に適用し難く、位置異性体の副生、取り扱い煩雑な塩化アルミニウムの使用などの難点をもっています。私たちが開発した反応はこれら難点を解決したものです。さらにこの反応を利用し、ヘテロ環化合物の合成、天然物合成へと研究を展開させました。

  • シアノシリル化反応
    カルベン(NHC)がアルデヒドのシアノシリル化反応を触媒することを見出しました。光学活性なNHCを用いると不斉シアノシリル化反応も進行します。シアノヒドリンは化学合成中間体として有用で、キラルな遷移金属錯体触媒による合成が多数報告されています。しかしNHCのような有機触媒による例は少なく、この反応を報告した原著論文 “Cyanosilylation of aldehydes catalyzed by N-heterocyclic carbenes.” (Tetrahedron 2006, 62, 4227-4231) は他の研究者に多く引用されています。2008年,2009年と二年連続してTetrahedron Most Cited Paper Award を受賞しました。


  • 第二級アルコールの速度論的分割
    新規の C2 対称性光学活性カルベンを多数設計・合成し,第二級アルコールの速度論的分割に用い、ラセミのアルコールを光学活性なエステルとアルコールとに分割できることを報告しました。NHCのアシル化触媒能は知られていましたが、不斉反応への展開は本研究が初めてです。

  • 天然物 atroviridin の全合成
    私たちが開発したNHC触媒反応を用いた天然物atroviridinの全合成に成功しました。この化合物の起源植物はタイの民間療法で鎮痛剤として用いられています。Atroviridinと類似の構造を持つポリフェノール型キサントン類には抗がん活性や抗菌・抗酸化作用を持つものが多く存在します。Atroviridin の合成経路を応用すれば、他の多くの生物活性物質を有するポリフェノール型キサントン天然物の全合成が可能と期待されます。

  • 抗がん剤の開発
    静岡県ファルマバレーセンターおよび静岡県立大学大学院薬学科・創薬探索センターと共同で、抗がん剤の開発研究を行っています。キナゾリン誘導体が高いがん細胞増殖抑制作用を持つことを見出しました。



鈴木由美子研究室

102-8554
東京都千代田区紀尾井町7-1
上智大学

TEL 03-3238-3089