熱、光、電気などの外界からの刺激に対応して、生物のように機能を発現する高分子を機能性高分子と呼び、次世代の材料として期待されています。当研究室では、近未来に必要とされる環境並びに生命にやさしい機能性高分子の開発を目的に研究を行っています。研究テーマは下記に示す3分野があります。

環境エネルギー分野

http://www.nissan- global.com/JP/TECHNOLOGY/ INTRODUCTION/DETAILS/FCV/ プロトンを高速で輸送するプロトン伝導性高分子は、水素と酸素の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池の電解質材料に用いられています。燃料電池に代表されるクリーンエネルギー開発は、資源の乏しい日本において重要な科学的な課題です。我々は、材料研究の立場から新規なプロトン伝導性高分子の研究を行い、現在“世界レベルの燃料電池の研究拠点”になっています。


生体・医用高分子分野

 身近になってきた生分解性高分子は、環境にやさしい材料として期待されています。特に、土壌中で自然分解する生分解性トレー等は、環境低負荷材料として一般家庭でも使用されるようになりました。当研究室では、高分子構造と生分解性の基礎メカニズムを解析するとともに、その生分解性を自在に制御する技術を開発しています。この新技術を利用することで、生体組織同様の生体適合性を有するバイオプラスチックを創成し、さらには、人工骨材料、人工筋肉、人工臓器への応用研究を行っています。


機能デバイス・ナノサイエンス分野

 導電性高分子に代表される有機オプトエレクトロニクス材料は、ソフト半導体、プラスチックエレクトロニクスと呼ばれ、現在の無機半導体の限界を超える材料として期待されています。当研究室では、新規なポリチオフェン、フラーレン誘導体の合成から、分子薄膜形成等のナノテクノロジー、電気的・光学的機能解析、さらにはエレクトロルミネッセンスディスプレイや有機太陽電池などのデバイス研究まで、一貫した研究を行っています。